りんくすのこそこそ話

りんくすが特撮とか、遊戯王やらポケモン、そのほか色々趣味について書くブログ

このすば最終巻前夜のオタクがあれこれ言うだけ

読む価値は、あまりない!

 

ああ、遂にこの時が来てしまったか。という気持ちが強い。

アニメを観てハマって、Web版を探して読んで。それからもう四年が経ったのだな……

Web版、『祝福』はとても面白かった。読み始めてからそれはもう夢中になって読み進めた。

最終章は特に素晴らしい。それまでの集大成。広げた風呂敷を綺麗に畳むさまは感動した。

何気ない、いつもの光景の描写が、忘れた頃に活かされた時に「あの時の奴かぁ!」ってなる感覚がとても気持ちがいい。それがこのすばの一番の良さだと思ってる。

 

何度かTwitterで呟いたことある気がするけど、セレナ戦で決着を着ける決め手が『不死王の手』のレベルドレインだったのは最高だった。

習得してからずっと使い続けていた技で、この技で修羅場をくぐり続けていたわけで。カズマさんが単独(?)で魔王軍幹部を撃破するというシチュエーションには、これ以上ない決め手だったと思う。

あとはそう、この作品で一番好きな話として爆裂魔法連打。

めぐみんが好きというひいき目を抜きにしても、それまでに積み重ねていた物がハマって昇華されるのが凄いいい。

 

めぐみんは爆裂魔法を愛してやまないけど、それでも仲間が出来て一緒に過ごすうち、爆裂魔法一発しか撃てない。という所にコンプレックスのようなモノを感じている節が度々あった。

ネタ扱いされたり、一発しか魔法が撃てないせいで何度もパーティに入るのを断られたり、直前では紅魔族からさえ戦力外にされた事もあった。そして家出したアクアにもう少しで追いつこうという所で追いつけずに、結界破りのため「上級魔法を使えれば……」と自己嫌悪に陥る。

そんなめぐみん「何十発、ぐらいでいけるんだな? それだけ爆裂魔法が放てれば、あの忌々しい結界を破壊出来るんだな?」と聞いて、自信をもって肯定した所に、”プレゼント”を贈るカズマさん。

”一発ではダメ”なら何十発も撃てるほどのマナタイトを渡して、とどめの「頼むぞ、最強の魔法使い」はもう、ああもう誰だってこの人の事を好きになるよと思った。

 

魔王戦に至っては実力差がありすぎる相手に大立ち回りするカズマさん。それだって本当はやらなくてもいいのに「金が無くなったから、魔王の賞金手に入れようぜ」なんて理由を付けて、ホームシックになっていたアクアを天界に帰してやろうというのが根底なんだからもーほんともー、この人はさー。良きツンデレですよね。

でもいざ魔王に挑もうって所で死んじゃうのもカズマさん。しかしそこでエールを送るエリス様とのシーンがまたよくてだな……

エリス様の地上での姿って? エリス様は何を司る女神様なの? という所をここで明かしたのがとても良い。そして極めつけの『祝福』。

思いだすだけで泣きそうになってしまう。ここもこのすば屈指の名シーンだよね。

そしてエピローグでタイトルすら綺麗に回収してしまう手腕。見事の一言に尽きる。

 

とまあ。Web版で最高の終わりを迎えた『この素晴らしい世界に祝福を!』それが分かってるからこそ、書籍版は追加要素を楽しんでいた所がある。

どんなに回り道をしても最終的にここに辿り着くから。むしろアクセルの街と、カズマ一行の繋がりがWeb版は駆け足になっちゃって描写が足りなかったかなと作者が言っていたのも見たので、そういうのもあるんだろうなと思ってたし楽しめた。

とか言いながら、なんとなく、終わってしまうのが怖かったのだろうと思う。

終わりが分かっているから終わらなくてもいいよね。と。いつまでも続いていてほしい、と。そんな風に。

勿論、終盤の展開を書籍で、三嶋先生の絵も交えてみたいと言う気持ちがあったが、それはもっと先の話で……

 

だからセレナが書籍で登場した時は「とうとうこの時が来てしまったか」と思った。

セレナが出てきたからには、もうどうしようとそこからクライマックスへまっしぐらに進むしかないと思っていたから。

むしろそこから引き延ばそうものなら流石に幻滅してしまう。まあ杞憂でしたが。

 

そして今月の始め。前回の引きから考えてもそうなるだろうな、とは思っていたから、特別驚きもしなかったけど、公式から直々に「次が本編完結」とのお達し。

でも時間が経つにつれて「終わってしまうんだ」という虚無感が生まれ、まあでも一ヶ月あるしな。なんて思っていればカウントダウンが始まり……

否応なしに覚悟をさせられる。そう、明日がその日なのだ。

 

書籍版は不死王の手が「強すぎるから封印」とされ、カズマさんは使わなくなった。

その分工夫によって魔王軍と立ち向かう描写が多くなったので、これはこれで良いとなっていたが、弊害もあった。

さっきも言ったセレナ戦。これが『今まで一番使ってきたスキルによる決着』から、『この決着の為だけに出てきたぽっと出アイテム』になってしまったのが非常に残念で仕方がなかった。

書籍化に伴っての変更でWeb版そのままに出来なくなってしまった部分があって、そこを上手くアレンジできるかと思えばそうではなかった所を見てしまうと、ほんの少し不安になる気持ちもある。

 

書籍版ではクリスがエリス様の地上での姿である事、『幸運』を司る女神である事は既に明かされている。

Webの決戦直前に明かされる、というシチュエーションはこれで出来ないことになる。

好きなシーンであるだけに、ここにどう変更が加えられるのか、それともあんまり変えないのか……という所で。

 

泣いても笑っても、明日で終わり。俺なんかの不安なんぞぶっ飛ばして最高のモノを届けてくれるだろうと信じています。

そんな感じで、明日に備える。

 

ps.まあ終わる終わるって嘆いてますけど、あくまで「本編」が終わるだけなのは分かっとります。